2015年09月02日

ふるさとへ行くことが毎日の楽しみに

ご本人の外出を不安に思うようになったご家族様
奥様とご長男一家とお住まいの男性。
毎日、ご近所へ散歩に行かれることを楽しみとされていたそうです。
ある日、転んでしまったと、身体中傷だらけになってご帰宅に。
至るところから血が出ており、痣などもたくさんできてしまったそう。
以来、ご家族様は、ご本人様お一人での外出を不安に思うようになりました。
ケアマネジャーに相談をすると、ふるさとのご利用を勧められたそうです。

「そんな所には行かない」 デイサービスへの拒否
ケアマネジャーよりご連絡をいただき、
スタッフはご挨拶に伺わせていただくことになりました。
しかし、ご本人様はスタッフを見るなり、険しいご表情で「どんなご用ですか?」と一言…。
スタッフから丁寧にお話をさせていただきましたが、
「そんな所には行かない」とおっしゃるばかり。
デイサービスを良く思っていらっしゃらないようでした。
まずは、スタッフを信頼していただきたいと思い、定期的な訪問を続けることにしました。
ご本人様は、いつも厳しいご表情をされていましたが、
「○○様とお話をしに来ました」と、スタッフが笑顔でご趣味やご出身地などを伺うと、
少しずつお話をしてくださるようになりました。
お仕事のお話になると生き生きとお話ししてくださるので、
スタッフからも大変興味深く聞かせていただきました。
二人でお話をすることを続けていくと、徐々にスタッフを信用してくださり、
ある日、ふるさとへ来てくださることになりました。

ご自宅と同じようにスタッフと一対一になってお話を
しかし、施設の中へご案内すると、怒り出されてしまい、
その日は、ご帰宅されることになりました。
どうやら、たくさんのお客様やスタッフの様子が気になってしまったようでした。
ご自宅で二人きりでお話ししていた空間を、施設でもつくろうと考えたスタッフは、
次に来ていただいた日は、玄関からすぐ近くの席をご案内いたしました。
スタッフも一緒に座らせていただき、二人だけの時間になると、
ご自宅のようにリラックスし、お話を楽しんでいただくことができました。
しばらくの間は、玄関の近くの席でスタッフと一対一でお過ごしいただいておりました。
次第に、他のお客様がいらっしゃるフロアの方向をご覧になるようになり、
レクリエーションなどを行っている笑い声が聞こえてくると、
「あっちは何をしているんだ?」とおっしゃるように。
スタッフから「少しあちらへ行ってみましょうか」と、お誘いさせていただくと、
少しずつ皆様の輪の中に入られ、一緒に楽しまれるようになりました。

週7回のご利用 「ふるさとに行ってくる」毎日の楽しみに
はじめは、週に1回だったご利用日は、ご家族様のご意向により徐々に増回。
現在は、毎日ふるさとをご利用いただいております。
ご本人様は毎朝、「ふるさとに行ってくる」と笑顔でご自宅の玄関を出られるそうで、
ご家族様は、安心できるようになったそうです。
また、周囲のお客様との交流も増え、
ふるさとへいらっしゃることとがご本人様の毎日の楽しみとなっていることを、嬉しく思っております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内