2015年08月12日

手荷物や戸締りの心配 その奥にあった不安

「○○がなくなった!」と探し物をされることが多くなっていた
一人暮らしの女性。
日常生活のほとんどのことは、ご自分でなさることができるほどお元気で、
すぐそばにあるご長女一家のお宅とご自宅を、頻繁に行き来されていたそうです。
しかし、「○○がない! なくなった!」などとおっしゃって、
ご自宅やご長女宅で探し物をされることが多くなり、
「(ご自分に届くはずの)手紙や新聞が来ていないか?」と、
ご近所のお宅を尋ねたりするようになっていたそうです。
お困りになったご家族様は、デイサービスの利用をお考えになったそうで、
ケアマネジャーからの紹介で、ふるさとをご利用いただくこととなりました。

夕方近くになると手荷物や戸締りが心配でご不安に
初日、ご本人様はすぐにスタッフと打ち解け、ふるさとでの時間を楽しんでくださっていました。
しかし午後、おやつの後にゆっくりとお過ごしいただいていると、
突然、「鞄は? 鍵はどこかしら?」と、手荷物を探しはじめました。
スタッフは、お荷物はすべてお預りし、棚に仕舞ってあることをお話しし、
鞄や鞄の中をご本人様に確認していただきました、
すると今度は戸締りが心配になり、「鍵をかけてきたかしら?」と、何度もおっしゃり、
その様子はお帰りになるまで続きました。
ご自宅へお戻りになり、しっかりと戸締りをされていたことを確認しても、ご心配はなくならなかったそう。
ご家族様からお話を伺ったスタッフは、ご本人様のご不安や心配事を減らすために、
ふるさとができることは何だろうかと考えました。

少しでもご不安を減らすためにふるさとができること
それからも、午前中は楽しそうにされていても、
午後になるとお荷物を探されたり、戸締りなどをご心配されることが続きました。
ご不安になるのは、いつもおやつを召し上がっていただいた後であることから、
おやつの時間を少し遅くしたり、
おやつ後すぐにご本人様がお好きなレクリエーションを行ったりしましたが、
ご不安になることに変わりありませんでした。
徐々に、ご本人様のご心配事は、鞄や鍵などの持ち物や、家の戸締りだけではないことにスタッフは気付き、
ご本人様の隣に座って、お話をじっくりと伺うことに。
すると、大切な物を失くしてしまうことへの心配や、
家を空けることに対しての漠然としたご不安があることが分かりました。
スタッフは、ご本人様がその日にご不安に思ったことをすべて話し終えるまで、
お話を伺わせていただきました。

笑顔でご帰宅されるように ご自宅で探し物をすることが減った 
お話しいただくことで、ご本人様のご不安は軽くなるようでした。
次第に、夕方からお帰りまでの時間にも笑顔が見られるようになりました。
同時に、ご自宅でも探し物をされたりすることが減っていったと、ご家族様より伺っております。
ご利用開始から2年が過ぎた現在、
週4回、笑顔でふるさとに通ってくださっております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内