2015年06月17日

どのようにお話しかけても「イヤ!」と否定的

ご兄弟と二人きり 今までされていたことを拒否するように
ご兄弟と二人暮らしの男性。
着替えや洗顔など、それまで日常的にされてきたことを嫌がるようになり、
否定的な言動が多くなっていたそうです。
些細なことで強く拒否されることもあり、ご兄弟の負担は徐々に増えていました。
ケアマネジャーは、デイサービスのご利用を提案したそうですが、
ご本人様の拒否が強く、介護サービスを受け入れてくださらなかったそうです。
ケアマネジャーがご兄弟にふるさとのご利用を勧め、
スタッフはご自宅へ伺わせていただくこととなりました。

訪問者に警戒心 どのようにお話しかけても「イヤ!」
スタッフがご挨拶に伺うと、ご本人様は警戒され、あまりお顔を向けてくださいませんでした。
どのようにお話しかけても、「イヤだ!」と短い言葉で否定され、
ベッドから一歩も動こうとされませんでした。
それから週に1回訪問させていただき少し経つと、
スタッフの顔や明るいグリーンのユニフォームを覚えてくださいましたが、
「イヤ!」、「しない!」と、否定的なお返事をいただくばかりでした。

お声かけに工夫「こちらへどうぞ」
ご本人様は、スタッフが「○○を一緒にしませんか?」や、「○○はいかがですか?」など、
問いかけるようにお話しかけると、必ず「イヤ!」とお答えになりますので、
スタッフはお声かけの仕方を変えてみることにしました。
「少し歩きましょう」と、スタッフからお手を取らせていただき、「こちらへどうぞ」と、お声をかけました。
すると、ご本人様はスタッフの手を握り、一緒に歩いてくださいました。
それからも訪問を続け2ヶ月が過ぎた頃、ご兄弟とご相談し、
ご本人様のご体調の良い午後から夕方までの時間帯を、ふるさとでお過ごしいただくことに。
スタッフは、ご自宅での着替えやお支度から手伝わせていただきました。
お召し物や履き物などは目の前にお出ししてから、「こちらにご用意しました」とお声をかけると、
ご抵抗なく、ご着用していただくことができました。
施設でも、お声をかける際やお誘いを工夫するよう皆に伝えてありました。
どのスタッフからも、「こちらへどうぞ」と、お手を取りながらご案内し、
目の前にお見せしてから「こちらにご用意しました」と、お声をかけました。
レクリエーションでも、「ゲームをしませんか?」とお誘いするのではなく、
カードなどをご用意してから「こちらが○○様の分です」とお渡ししました。
すると、レクリエーションに参加され、楽しんでいただくことができました。

ご入浴していただけるようになりご兄弟も喜んでくださった
ご利用いただくようになり2週間が過ぎると、
それまで特にご抵抗が強かったご入浴もしていただけるようになりました。
「ゆっくり温まってくださいね」とスタッフがお声をかけると、
「うん」とおっしゃり、気持ち良さそうに湯船につかってくださいます。
ご兄弟にお話しすると、大変喜んでくださり、
また、ご利用日はご自身がリフレッシュする時間になっていると、明るい笑顔でおっしゃってくださいました。
現在は、週に2回、ご本人様のご体調をみながらご利用いただいております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内