2015年03月18日

いつもご自宅に二人きり ご本人にも奥様にも必要だったもの

いつも奥様と二人きり 外出を拒むように 
奥様と二人暮らしの男性。
認知症と診断され、奥様が介護をされていました。
いつもご自宅に二人きりでお過ごしになられていたそうです。
いつ頃からか、ご本人様は出かけることを拒むようになっていたそうで、
「このままでは引き籠りになってしまう」と、奥様はご心配に…
そのことをケアマネジャーに相談すると、
デイサービスを利用し、外に出て他者と交流することを勧められたそうです。

厳格なご性格のご本人様 奥様はとても疲れていらっしゃった
ケアマネジャーから連絡をいただき、スタッフがご自宅を訪問させていただくこととなりました。
ご挨拶に伺い、お話しさせていただきましたが、
ご本人様は険しいご表情で固く口をつぐんでおられ、お返事していただけませんでした。
奥様のお話では、以前は会社の社長だったご本人様は、部下に対し大変厳しい方だったそうで、
ご自宅でも厳格なご性格はそのままでいらっしゃるとのことでした。
奥様は、一日中ずっと一緒にお過ごしになられており、
ご表情が暗く、とても疲れていらっしゃるように見えました。

少しずつ信頼関係を 施設でスタッフは部下のように
スタッフは定期的に訪問させていただきました。
何度も訪問を重ねるうちに、ご本人様は意思を示してくださるようになり、
口数は少ないままでしたが、短い言葉でお話ししてくださるように。
しばらく訪問を続け、ご本人様とスタッフとの信頼関係を少しずつ築きました。
初めてお会いしてから半年後、ご利用開始となりました。
施設では、ご自身は社長で、スタッフは部下と思ってくださったようでした。
ご本人様にご相談したり、ご指示をいただいたりして、スタッフは部下のように接し、
いつも以上に丁寧な言葉遣いでお話しいたしました。
厳格な方であることには変わりありませんが、
次第に、スタッフの言う冗談に朗らかな笑顔を返してくださったり、
穏やかなご表情をされていることが増えていきました。

ふるさとで友人ができ笑顔に 奥様のご表情も明るくなった
今まで奥様は、お悩みなどを話す機会がなく、お一人で抱えていらっしゃったそうです。
しかし、スタッフが訪問し、ご症状やご対応方法についてご説明させていただくようになると、
お気持ちが軽くなったそうで、ご表情がとても明るくなりました。
ご本人様は最近、ご利用日が同じ男性のお客様とお話をするようになり、
その方を大変気に入られ、ご友人のように仲良くしていらっしゃいます。
そのことがきっかけで、これまで以上にご利用日を心待ちにしてくださるようになったそうです。
奥様も、週に1回のご利用日を、「息抜きの時間ができたわ」と、喜んでくださっており、
ご本人様も奥様も笑顔でお過ごしいただけるようになったことを、スタッフはとても嬉しく思っています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内