2015年03月04日

強い帰宅願望 ご本人が本当に望んでいたことは?

デイサービス利用中にご帰宅されるようになった
ご長男夫婦と三人でお住まいの女性。
以前から週に3、4回デイサービスをご利用されていました。
しかし、施設を出て行こうとされたり、ご自宅へ帰ろうとされる姿が頻繁に見られるようになり、
夕方を待たずにご帰宅されるように…
ご本人様をお一人にすることはできず、
ご家族様はお仕事を早退したり、予定を変更したりしなければなりませんでした。
さらにデイサービスの職員から、「この状態では今後のご利用は難しい」とお話があり、
ご家族様はケアマネジャーに相談をしました。

「すぐに利用したい」と、ふるさとにいらっしゃることに
ケアマネジャーは、個別でも対応が可能なふるさとの利用をご家族様にご提案。
ご家族様はお仕事の都合もあり、翌日からのご利用を希望されていました。
ケアマネジャーからの連絡を受けたスタッフは、すぐにご利用いただける体制を整えることに。
ご本人様のご状況や様子などをケアマネジャーとご家族様にお聞きし、
ふるさとでの一日を楽しんでお過ごしいただけるよう施設で話し合いを行いました。
はじめのうちはスタッフが常に付き添い、個別でご対応させていただくことにし、
翌日からご利用開始となりました。

頻繁に外に出ようとされたご本人 スタッフは個別で対応
ご本人様は今までもデイサービスに通っていらっしゃったため、
すんなりとふるさとへ来てくださり、
隣に座ったスタッフとお話することを楽しまれているように見えました。
しかし、ふと会話が途切れた折りに、席をお立ちになると、歩いて玄関の方へ。
スタッフがお手を取りながら付き添わせていただくと、
ご本人様は、施設内を歩いたり、窓から外を眺めたりされました。
その後も何度もお立ちになり、少し歩いてお戻りになることを繰り返され、
夕方お帰りになられるまで、お過ごしいただきました。
以前のデイサービスと同様に週に3、4回ご利用いただくこととなり、
常にスタッフが付き添い、一緒に歩いたりしてお過ごしいただきました。
ご利用を重ねていくと、「ここは、○○(土地名)?」と、県外のある場所をお尋ねになるように。
お話を伺うと、幼い頃に住んでいらしゃった場所だそうで、
ご本人様は、その場所を探すために、お出かけになろうとされていることが分かりました。

お気持ちや行動を否定しないご対応
「幼少期に住んでいた場所に行きたい」というご本人様のお気持ちを否定せず、
スタッフは一緒に歩き、思い出話などを伺いました。
次第に席をお立ちになる回数が減り、座ってスタッフとお話しする時間が長くなりました。
ふるさとにいらっしゃるようになり3ヶ月が過ぎると、
スタッフが隣に座っていると安心してくださるようでした。
少しずつレクリエーションに参加されることも増え、
よくお顔を合わせるお客様に、ご本人様からお話しかけたりするように。
ふるさとをご利用いただくようになると、以前に比べてお気持ちが大変穏やかになったそうで、
ケアマネジャーより、「『家でも穏やかになり、安心して仕事に行けるようになった』とご家族様が喜んでいます」と、
嬉しいご連絡をいただきました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内