2014年11月05日

たとえ認識が難しくてもご本人様が納得されるまで

奥様は介護サービスに良い印象を持っていなかった
奥様と長女と三人でお住まいの男性。
認知症と診断されていましたが、日常生活のほとんどのことはご自分でなさることができていたそうです。
物忘れなどでご不安がある部分については奥様がおひとりでサポートをされていました。
愛情深く、とても熱心に介護をされていましたが、お仕事も持たれており、
奥様のご心労を心配したケアマネジャーが、少し負担を減らしてはどうかと、デイサービスの利用を勧めました。
それからいくつかの施設をご見学になられたそうですが、もともと介護サービスに良い印象を持たれておらず、
利用したいと思う施設は見つからなかったそうです。
しかし徐々にご本人様の症状が進み、言葉を忘れてしまうことも増えてこられていました。
ケアマネジャーは認知症の方を専門にしているふるさとのご利用を提案し、ご利用いただくことになりました。

言葉の認識が低下され トイレを脱衣所と思われていた
普段からお手洗いの回数は多めだと伺っていましたので、
施設でも頻繁にお手洗いにご案内させていただきました。
しかし、「トイレ」や「お風呂」といった言葉や場所の認識が難しくなってこられていて、
お手洗いでお召し物を全て脱ごうとされたり、便器の水で手を洗おうとされたりしていました。
その度に「トイレですよ」「お風呂はこちらです」と改めてお声をかけ、ご案内させていただきましたが、
日に何度も、お手洗いでお召し物を全て脱ごうとされ、
さらに、他のお客様と一緒に過ごしているフロアでも席をお立ちになり脱ごうとされるように…

スタッフはご納得されるまで見守るように対応した
ご本人様はその場を脱衣所と思われているので、別の場所へご案内したりお声をかけたりすることは、
「行動を否定している」と感じられることもあるのでは、と思ったスタッフ。
「ここは脱衣所」というお気持ちに寄り添うよう対応してみてはどうかと、他のスタッフと話し合いました。
それからは、お手洗いでお召し物を脱ごうとされても、その場で見守らせていただくことに。
フロアの場合は、すぐさまパーティションで空間を仕切り、他の方からは見えないように配慮し、
スタッフがマン・ツー・マンで付き添わせていただきました。
ご納得されるまでその場で脱いでいただくことを続けると、脱ごうとされることが少しずつ減っていきました。
ご自宅でも頻繁に脱ごうとされていると伺っていましたので、施設での対応を奥様にご説明。
奥様もそのように対応したところ、入浴以外で脱ごうとされることはなくなったそうです。

信頼を寄せてくださりお悩みなどを話してくださるように
このことから奥様は、スタッフにより信頼を寄せてくださるようになり、
日頃のお悩みなどを気軽に話してくださるようになりました。
スタッフは症状についてご説明したり相談に乗らせていただいています。
時々、丁寧なお手紙をくださり、想いをお話ししてくださります。
最近では、ご本人様とお二人でお出かけになる余裕ができたそう。
夜景を見にいかれたり喫茶店へ行かれたり、二人だけの楽しい時間を過ごされるようになったそうです。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内