2014年09月17日

心を閉ざされ引きこもっていらしたお客様

心を閉ざされご自宅に引きこもっていらした
一人暮らしの女性のお客様。
ご主人を亡くされてからご自宅に引きこもっていらしたそうです。
認知症の症状が進行し、「誰かに大切なものを盗られるのではないか」といった妄想もあったそうで、
ご親戚の方が大変心配されていました。
ケアマネジャーがご本人様の様子を伺いにご自宅を訪問しましたが、
ご本人様は、「いいです。(一人で)大丈夫です」とおっしゃられ、介護サービスを拒否されていたそうです。
このままお一人でご自宅にいらっしゃったら、症状がさらに進むのでは、と心配したケアマネジャーから
ふるさとへ連絡がありました。

「○○様、行きましょう」と明るくお声をかけた
スタッフとご親戚の方とケアマネジャーとで相談し、
ご親戚の方と一緒に、一度ふるさとに来ていただくことになりました。
初めてお迎えに上がった日、「○○様、行きましょう」と、お名前を呼んでお声かけしました。
ご本人様は少し戸惑われている様子がありましたが、
スタッフが明るく屈託のない態度を心がけお誘いすると、受け入れてくださいました。
施設でも安心して過ごしていただけるようスタッフは皆、丁寧な態度でお声かけしました。

「本当は初回でやめようと思っていたけれど…」
施設にはスタッフとお客様との笑い声があり、明るく陽気な雰囲気でした。
馴染みのない場所でご本人様がご不安にならないよう、
どのスタッフも笑顔で「○○様」と、必ずお名前を呼んでお声かけをしました。
すると徐々に心を開いてくださったようです。
スタッフによくお話ししてくださるようになりました。
ある日、ご本人様がご利用当初の思いを話してくださいました。
初回は、ご親戚の方のお顔を立て、ふるさとに来てくださっていたのだそう。
本当は、その一度だけでご利用をやめようと思っていらっしゃったそうです。
ところが心地良く過ごすことができ、その次もいらしてくださった、と話してくださいました。

お便りのご本人様の笑顔に涙を流された
ご本人様が外に出られたこと、ふるさとのスタッフを受け入れてくださったことに、
ご親戚の方とケアマネジャーはとても驚き、また喜んでくださいました。
施設で毎月発行している「ふるさと便り」をご親戚の方にお送りしたところ、
「こんな笑顔を見たのはいつぶりでしょう。本当にありがとうございます」と、
丁寧な文字で書かれたお手紙をいただきました。
お便りでご本人様の楽しそうな様子をご覧になり、涙がとまらなかったそうです。
ご本人様は、「こんなに良いところは他にはない。いつも私は幸せだ」とおしゃってくださいます。
スタッフは、心を許してくださり笑顔でふるさとにいらしてくださることを嬉しく思います。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内