2014年07月23日

「忙しい」「帰りたい!」と言われていたお気持ちの真意は…?

短気なところもあり物言いがきついご本人様
ご主人と長男夫婦と四人暮らしの女性。
他の施設をご利用になられていましたが、短気なところもあり物言いがきつく、
他のお客様との関係が悪くなってしまい、ご利用を断られたそうです。
ケアマネジャーが、ご家族様にふるさとを勧め、ご利用いただくことになりました。

「忙しい」「帰りたい」と繰り返し言われていた
初めてふるさとにいらした日、
「ここは何? 私は忙しいの! やることがあるから、早く家に帰して!」
と、語気を強めておっしゃられました。
スタッフは慌てず落ち着いて、まず、ご本人様のお話を伺いました。
伺ってみると、主婦であるご本人様は家事などで忙しく、家のことをしなければならないので、
「早く帰りたい」とのこと…
しかし、お話を伺っているうちに、ご本人様がおっしゃられる「忙しい」「帰りたい」という言葉には、
様々な思いがあることがわかりました。

親身になって1対1でお話を伺った
それからスタッフは、常にご本人様のすぐ傍で1対1でお話を伺いました。
初めのうちは不機嫌な面持ちで、厳しい言い方をされていましたが、
スタッフが親身になり、共感しながらお話を伺うと、少しずつ心を開いてくださいました。
「帰りたい」という言葉は、慣れない場所で居心地の悪さを感じられていたお気持ちの表れで、
「忙しい」とおっしゃられていたのは、今でもお食事の支度や掃除などをされているお気持ちで、
その大変さを聞いてもらいたい、と思われていることがわかりました。
そこには、様々な思いが混在していました。
ご自身の役割を誇りに思っていらっしゃるお気持ちや、
大学を卒業されたご家族様とそうでないご自身を比較して、引け目を感じていらっしゃるお気持ちなど。
スタッフは毎回、柔らかい口調でお声をかけながら、お話を伺いました。

今ではふるさとにお仕事に来ているかのように
実は、ご本人様は家事をされておらず、家では横になられている時間が多かったそうです。
スタッフはいつも、ご本人様が主婦であることを否定せずにお話を伺い、
誇りに思うお気持ちや、忙しいことに対する憤りなどの感情を受け止めるよう努めました。
少しずつ口調が優しくなり、「帰りたい」とおっしゃられることがなくなりました。

ご利用開始から1年半が過ぎました。
当初は週に1回の予定でしたが、現在は週に5日ご利用いただいています。
今では、「(ふるさとで)○○するから、忙しいのよ」と、まるでお仕事をしに来てくださっているようなお気持ちで、
いらっしゃってくださいます。
ご家族様からは、「ふるさとに行くのが楽しみなようです」と、大変嬉しいお言葉をいただきました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内