2014年06月11日

「家族が喜んでくれることが何よりも嬉しい」ご本人様の深い思い

初めてのデイサービス利用 ご本人様はどう思うか不安があった
奥様と長男ご家族と暮らしている男性のお客様。
ご家族様との約束を忘れられて、外に出られてしまい、なかなか帰って来ないことがあったそうです。
心配をされたご家族様がケアマネジャーに相談し、デイサービスの利用を考えられました。
しかし、初めてのデイサービスを、ご本人様がどう受け止めるか、ご家族様は不安に思っていらっしゃいました。

社交的なご本人様、しかしレクリエーションなどには関心がなく…
ご家族様と相談し、週に1回、ふるさとをご利用いただくことになりました。
はじめのうちは、常にスタッフが付き添いをしましたが、何度かいらっしゃってくださるうちに、
他のお客様のお顔とお名前を覚え挨拶をされたり、少しずつ話しかけたりしていただくようになりました。
しかし、レクリエーションや体操などにはあまり関心が向かないご様子でした。
施設に来てご入浴された後は、「さて、帰ろうかな」とおっしゃられました。
スタッフはまず信頼関係を築くために、お帰りになりたいとおっしゃったときは、ご自宅へお送りし、
ご本人様に「ここでは自分が嫌なことを強いられる」という印象を持たれないように、接することから始めました。

入浴すると家族が喜ぶ、それが何よりも嬉しい
ご入浴後、水分補給と休憩のためにソファーで休んでいただいているときに、
スタッフは隣りに座って、じっくりとお話を伺う時間をつくりました。
ご本人様は、お仕事をされていたときのことなどを、生き生きとした表情で話してくださいました。
また、ご家族様への思いが深く、いつもご家族様のことを考えられていました。
ある日、ご本人様が話してくださいました。
ふるさとでご入浴され、髭をそり、髪を整えてご自宅に戻られると、
「おとうさん、さっぱりしたね」、「きれいになって良かったね」と、ご家族様が喜んでくださるそうです。
そのことがご本人様にとって、何よりも嬉しいのだと…
スタッフは、その会話によって、より深くご本人様の思いを理解することができました。

他のお客様からの誘いに応じてゲームなどを楽しんでいただけるように
ご本人様がソファーでスタッフとの時間を過ごしているうちに、
「○○さんもこっちに来て、ゲームをしましょうよ」など、他のお客様からお声がかかるようになりました。
誘いに応え、他のお客様と一緒にゲームやレクリエーションなどに参加する時間が増えると、
積極的に輪の中へ入っていかれ、楽しんでくださるようになりました。
そんな日は大変朗らかな表情でご帰宅され、ご家族様は安心されていました。
ご利用から2ヶ月経った現在は、週に7日、毎日ご利用いただいており、
施設で過ごされる時間も、徐々に長くなってきています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内