2014年02月26日

お風呂に入っていただけるか否か、会話の内容が鍵

お風呂に入ったり食事をする様子を見かけなくなった
1人暮らしの男性。
ご本人の様子を見に、頻繁に長男の奥様が自宅を訪問し、
食事を作ったり、掃除をしたり、お風呂を沸かしていたそうです。
いつの頃からか、ご本人はほとんど食事をしなくなり、見た目にもわかるほど痩せてしまいました。
またお風呂も入らなくなり、不衛生な状況が続いたので、長男夫妻はご本人の健康状態をとても心配していました。
長男から相談を受けたケアマネジャーは、
衛生状態と健康管理をしっかり行い、またご本人が安全な環境の中で過ごせる介護施設を探しました。
そして認知症の方が安心して過ごせる施設であることから、ふるさとをお選びいただきました。

「疲れているから今日はいい」と入浴に否定的
スタッフがご本人のご自宅にお迎えにあがると、外出をすることには抵抗をお感じにならないようで、
すぐにふるさとにお越しくださいました。
お昼ごはんの際は、食事の時間であることを知っていただくために、
先に他のお客様にお膳をお配りした後、ご本人の前にお膳をお出ししました。
すると他のお客様が食事を召し上がる様子をご覧になると、
それに続いてご本人も食事をすべて召し上がってくださいました。

ところが入浴へご案内すると、「疲れているから今日はいい」と、受け入れていただけませんでした。
この日は結局、お風呂に入っていただけないまま、お帰りの時間となってしまいました。

気持よくお風呂に入っていただくためにふるさとが求められていること
帰りの送迎が終わってから、施設でミーティングを行い、
ご本人に気持よくお風呂に入っていただくために、何が必要であるかを話し合いました。
「足浴から慣れていただく」
「入浴する順番を他のお客様と入れ替える」
「ご本人の趣味の話をしながら浴室へご案内する」
など、様々な意見を出しあい、次回のご利用の際に試みることになりました。

生まれた町について誰かと話したかった
その後1ヶ月間は、お風呂に入っていただける日もあれば、嫌がる日もありました。
入浴をしていただいた日の中で、最もご本人の笑顔が多かった時の状況を確認すると、
ご本人の生まれ育った町について会話をしていたことが分かりました。
現在はご本人の生まれ故郷にある温泉についてスタッフと話しながら、
入浴の時間を楽しく過ごしていただいております。
もしかしたら素敵な思い出がたくさん詰まった温泉を思い出していらっしゃるのかもしれません。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内