2012年09月07日

どんなお声かけも「いや!」、人と関わりを持とうとしない

医者もケアマネジャーも嫌い、とにかく人と話したくない
一人暮らしの女性のお客様。
担当の医師やケアマネジャーの話に一切耳を傾けることがなく、
自分の殻に閉じこもっていたそうです。
このままでは社会性が失われ、認知症の症状も進んでいくのではないかとケアマネジャーは心配し、
少しでも人と関われるように、ふるさとを利用してくださることになりました。

施設の中に入ることを拒否なさり、施設周辺を30分ほど車で回った
早速スタッフはご自宅にお迎えにあがり、施設について説明させていただきました。
ところが、「いやだ!」とおっしゃり、送迎車に乗っていただけませんでした。
スタッフが何か言葉を発しようとしても「いや!いや!」と言い続けておられました。

その後も日を改めて何度かお伺いしたのですが、お誘いを受け入れていただけない日々が続きました。
そんなある日、いつもより10分くらい長くご説明したところ、送迎車に乗ってくださいました。
ところが施設の前に到着しても降りていただけませんでした。
スタッフはそのまま車を走らせ、度々訪れる公園の近くを通るなど、
施設周辺を30分くらいご案内いたしました。

ようやく施設の中に入っていただけたが・・・
その後は施設の中に入ってくださいましたが、スタッフのお声かけを受け入れていただけませんでした。
「お手洗いに行きましょうか」「いやだ!」「お茶はいかがですか?」「いやだ!」
しかし、せっかくふるさとにいらしてくださるのですから、楽しんでいただきたいとスタッフは思い、
ご本人様が固くなに拒否をされる原因を考えました。

ご本人の正面からではなく横からお声かけ
あるとき、ご本人の様子を見守っていたスタッフはその原因に気付きました。
真正面からお声かけをすると「いや!」と受け入れていただけないのですが、
横からお声かけすると安心され、ホッとした表情で応じてくださるのです。
正面から話しかけられると威圧的に感じられ、不安になっていらしたのかもしれません。
また、声のトーンを下げてゆっくりと話しかけると聞き入れてくださいますので、
スタッフ全員でそのように接することにいたしました。

それからは少しずつですが、レクリエーションにも参加してくださるようになりました。
ケアマネジャーも同じように、横からお声かけすると受け入れていただけるようになったそうで、
大変喜んでいました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内