2013年05月08日

一人暮らし、症状が進行する一方だった・・・

お声かけに全く反応がなく、症状が進行していった
一人暮らしの男性。ご本人はご近所の方と交流がなく、一言も話さない日が多くなっていきました。
ケアマネジャーがご本人のご自宅を訪問したとき、何を質問しても全く反応がないことが続いたそうです。
症状が進行していることを懸念し、デイサービスなどの施設を利用するなど、他の方との交流が必要と判断されました。
以前、ふるさとに3名のお客様を紹介していただいた際、お客様の状態が改善されたことから、
「ふるさとなら大丈夫」と期待を寄せていただき、今回もふるさとのご利用を提案してくださいました。

スリッパへのお履き替えも出来なかった
ふるさとにいらっしゃってからも、ケアマネジャーが言うように意思の疎通が難しい状態でした。
施設内に入っていただく際、外履きからスリッパへお履き替えいただくことをご理解いただけなかったり、
お手洗いやご入浴へのお誘いもご理解いただけない状況にありました。
スタッフ同士で打ち合わせを行い、意思の疎通をはかれるようになるために必要なことを全員で話し合いました。
その結果、スタッフが「ご理解いただけない」という先入観を持ちながらお声かけしていることも、
ご理解いただけない状況を引き起こしている原因の一つではないか、と考えました。
そこで、ご本人に応じていただけることを期待するのではなく、
スタッフ自身が先入観を無くし、自信を持ってお声かけが出来るように全員で取り組むことを決めました。

スタッフの目標を決めた
ご本人がご利用になる日は、施設全体の目標とスタッフ個人の目標を決めました。
全ての介助を受け入れていただけないスタッフは、スリッパに履き替えていただくことから。
スリッパに履き替えていただけるスタッフは、次はトイレ介助を受け入れていただけるように。
トイレ介助を受け入れていただけるスタッフは、次はご入浴介助を受け入れていただけるように。
そして、全てのスタッフが「思いやりの気持ちを忘れないこと」「自分自身が不安にならずに接すること」を心がけました。

1ヶ月後にはお声かけに応じていただけるようになった
そして、上手く受け入れていただけたら、そのことを他のスタッフに伝えました。
「どのような気持ちで接していたのか」「どのようなお声かけで応じてくださったのか」
一人のスタッフだけではなく、施設のスタッフ全員がご本人に信頼していただけるように、常に意見交換を行いました。
すると、ふるさとご利用初日から1ヶ月後、ほとんどのスタッフのお声かけに応じてくださるようになりました。
このように、お客様がふるさとで居心地よく過ごしていただけることがスタッフの遣り甲斐や充実感に繋がっております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内