2021年08月02日

得意のギターを披露してくださるまでに

仕事の習慣で喫茶店通い
奥様と2人暮らしの70代男性。
若い頃から作曲の仕事をされていた方で、
曲作りのお仕事をする時はいつも近所の喫茶店。
それが習慣になっていたため、認知症と診断されてからも
毎日通っていらっしゃいました。
徐々に認知症の症状が進行しても、一人で喫茶店へ出かけて行くので、
心配した奥様がケアマネジャーに相談。
まずは一般のデイサービスを利用することになったそうです。
しかしご本人が利用を嫌がられ、通うことができなかったため、
認知症対応型のふるさとにお声がかかりました。

タクシーのようにお迎え
最初のお連れ出しでは、お迎えに伺うと「警察を呼ぶぞ!」と怒られてしまい、
送迎車に乗っていただけませんでした。
奥様に、いつも病院に行く時はどうしていらっしゃるかお尋ねしたところ、
「タクシーには乗ってくれる」とのこと。
奥様とご相談し、制服を着ないでお迎えに伺い、
タクシーのように奥様も一緒に乗っていただいてお連れ出しをしてみることに。
するとご機嫌が悪くなることもなく、来所いただくことができ
途中で奥様がご自宅に帰られても、一日ふるさとで過ごしていただくことができました。

距離感を保ち無理強いをしない
ご本人は芸術家肌の方なので、「大勢の輪に入るのが苦手」と奥様から伺っており、
利用開始当初は程よい距離感を保つよう心がけてお声かけを行いました。
「ここは何をしても良いところです。疲れたら横になって休まれる方もいますよ」とお話しし、
無理強いをするようなことは絶対にしないで、時間をかけて信頼関係を築くようにしました。
すると次第にレクリエーションにも参加されるようになり、お気に入りのゲームもできました。

音楽の話も盛り上がる
音楽のお話は仕事を思い出し、「喫茶店に行って仕事をしないと!」という気持ちになってしまうため
話題に出さないようにしていましたが、ふるさとにかなり慣れてくださってから、
「若い頃はどんな音楽を聞いていらっしゃったんですか?」とお尋ねしてみました。
海外の音楽を教えてくださったので、その音楽をフロアでかけてみたところ、ノリノリに!
その後は音楽について、色々なお話をしてくださるようになりました。
今では来所時にギターを演奏してくださいます。
ご自分でチューニングもされ、「何を弾いてほしい?」とリクエストも聞いてくださり、
他のお客様からも大変喜ばれています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内