2021年01月06日

ふるさとのご利用9年目での変化

認知症の症状が進行、ご自宅での入浴が困難に
奥様、娘さんと3人暮らしの80代男性。
見当識障害がみられ、外出すると家がどこかわからなくなるようになり
70代の頃から、ふるさとをご利用いただくようになりました。
認知症の症状はありますが、足腰がしっかりしていて、
自立で何でもご自分でできる方でしたので、基本的には見守りのみ。
入浴もご自宅でされていました。
しかし9年ほどふるさとをご利用いただき、ご本人が80代を過ぎた頃、
ご自宅での入浴が難しくなりました。

「お風呂」というワードはNG
ご家族が入浴を勧めても、「今日はいい」とおっしゃり、
全く入ってもらえないということで
ふるさとで入浴をさせてほしいとご依頼がありました。
来所日に、スタッフが「お風呂に入りませんか?」とお誘いするものの、
「家で入るから」と断られてしまいました。
何度かお誘いするうちに、「お風呂」という言葉を出すだけで嫌がられること、
そして女性スタッフがお誘いするとさらに嫌がられることがわかりました。

“三助”の資格を取りたいんです!
「お風呂」という言葉を使わずに、
どのようにお誘いしたら入浴していただけるか、スタッフで相談しました。
『男性スタッフが、湯屋でお客様の背中を流す“三助”の資格を取ろうとしている』
という設定でお声かけしてみよう!ということに。
「今日は三助の資格試験のためのご相談をさせてください!」とお願いすると
快く引き受けてくださり、脱衣所へご誘導することができました。
脱衣所で「背中のクリームを塗らせていただけますか?」とお声かけすると
ご自分で服を脱いでくださり、
「では背中のクリームを塗る前に、少しだけお背中流しますね」と浴室へ。
その後は、スムーズに入浴していただくことができました。

女性スタッフの介助も受け入れてくださるように
初めのうちは、必ず男性スタッフが入浴介助を担当しましたが、
1ヶ月ほど続けたところ、最初のお誘い以外は
女性スタッフでも応じてくださるようになりました。
地元の話や世間話などをしながら、髪や全身も洗わせていただき
楽しい雰囲気で入浴してもらえています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内