会話が通じなくなり、お互い不安になっていった
ご主人と二人暮らしの女性のお客様。
以前と比べて、会話の内容が噛み合わないことが多くなり、
ご主人はどのように接していけば良いのか分からず、戸惑っておられました。
特に「お風呂に入ること」を理解することが出来なかったそうで、
ご主人が何度も説明をしても、ご本人は混乱するばかりでした。
次第に、お互いが二人きりで過ごすことに不安を感じるようになっていったそうです。
ケアマネジャーに相談し、ふるさとへ
ご主人はお一人で介護することに限界を感じ、ケアマネジャーに相談しました。
その結果、ケアマネジャーの勧めで、認知症専門のふるさとにいらっしゃることになりました。
時間を追って、同じことを繰り返しお伝えした
ふるさとでも、「食事」や「入浴」について、何度もご説明やご案内をさせていただきましたが、
ご本人は理解できずに動揺なさるので、スタッフは別の方法でお誘いすることを考えました。
一度に多くのことをお伝えしても、ご本人には何のことか伝わりません。
そこで、言葉で理解していただくより、「これから何かがある」という雰囲気を作りながら、
同じことを何度も繰り返しお声かけするようにいたしました。
たとえば、ご入浴のときはご本人の順番が回ってくる30分前からお声かけを始めました。
「あと30分でお風呂ですよ」「あと20分・・・」「あと10分・・・」と時間を追って
同じことをお声がけをし、少しずつ入浴することにお気持ちを向けていただきました。
なんとなく「お風呂」の気分に
ご本人の順番になり、「さあ、お風呂の時間ですよ」と、お手を取って浴室へご案内をさせていただくと、
混乱される様子もなく、スタッフの誘導に応じてくださり、ご入浴をしていただるようになりました。
このとき、スタッフが心がけていたことは、スタッフ自身が不安を感じずに、ご本人を信じ続けることでした。
少しでもスタッフが不安だったり自信がない様子がみられた場合、お客様も不安になってしまうからです。
ご入浴中も、ご本人に安心していただけるように、
ゆっくりと時間をかけてご入浴のお手伝いをさせていただきました。
すると、その後もご入浴のお手伝いをしたスタッフのお声かけを理解してくださるようになりました。
現在も、全ての会話をご理解いただけてはおりませんが、
ふるさとにいらっしゃった当初のような混乱した状態はほとんどなくなり、スタッフのお声かけに応じてくださいます。
それまでお一人で介護をなさり、とても不安を感じていらしたご主人も、安堵の表情を浮かべていらっしゃいました。
認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内