2020年08月05日

ふるさとの制服に拒否反応…私服で伺う

ご両親の介護を息子さん一人で
奥様、息子さんと3人暮らしの70代男性。
足に痛みを感じるようになってから、ご自宅に引きこもりがちになり、
少しずつ認知症の症状が進行。
奥様は病気で入院されてから、ほとんど寝たきりの状態で、
息子さんが働きながらご両親の介護をしていました。
息子さんは元々、ご本人であるお父様との折り合いが悪かったそうで、
あまりコミュニケーションが取れず、ご自宅での介護に悩んでいらっしゃいました。
仕事と家事、そして介護と手いっぱいになり、ケアマネジャーに相談。
認知症対応型のふるさとを紹介され、ご利用へと繋がりました。

黄緑色の制服に拒否反応
ケアマネジャーから、「最初から無理にでもお連れ出ししてほしい」と依頼されていましたが、
ご本人が強い拒否反応を示され、初日は来所いただくことができませんでした。
また、ふるさとの黄緑色の制服を覚えてしまわれたため、
何度かお迎えに伺うも、大声で「行かない!」と拒否。
その際にふらつきがあり、スタッフが身体を支えると、
「引っぱられた」と怒ってしまわれました。

私服で「傾聴ボランティアで来ました!」
黄緑色の制服に拒否反応がみられたので、私服で伺うようにしました。
まずはふるさとのスタッフと親しくなっていただこうと、
「傾聴ボランティアでまいりました」とお伝えし、週2回ご自宅へ伺いました。
また男性スタッフのことを、より嫌がっていらっしゃるようでしたので、
女性スタッフがお話しに伺うようにしました。
何度か通ってお喋りをするうちに、「こないだ来た人だね」と顔を覚えてくださり、
さらに1ヶ月ほど続けると、「一緒に話す時間が楽しみ」と笑顔を見せてくださるようになりました。

「ありがとう」と声をかけてくださった
ずいぶん慣れ親しんでくださった頃、「床屋に行きたいなぁ」とおっしゃるので、
そのまま送迎車に乗っていただいたところ、すんなりと来所いただくことができました。
その時は、スタッフは私服でお連れ出しをしましたが、何度か通っていただいてからは
黄緑色の制服で伺ってもスムーズにご乗車くださるように。
レクリエーションにも参加してくださり、歌の時間は気持ちよく手拍子を打ってくださいます。
スタッフに、「楽しませてもらったよ、ありがとう」という言葉をかけてくださることもあり、
笑顔も多く見られ、楽しそうに過ごしていらっしゃいます。
現在は週1回のご利用ですが、ご家族からは「利用回数を増やしたい」とご希望をいただいています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内