2020年06月03日

デイの責任者を悪役に…別のスタッフがご本人の味方になる

夜中に徘徊、万引きも
息子さん夫婦と3人暮らしの80代男性。
息子さん夫婦は共働きのため、日中はお一人でお過ごしでした。
認知症の症状が進行するにしたがって、
夜間、ご家族が眠ってから外へ出かけることが増え、
近所のコンビニエンスストアで万引きをしてしまうことも。
ご家族は、日中ご本人を一人にしておくことが不安になり、
ケアマネジャーに相談。
一般のデイサービスでは対応が難しいと想像されることから、
認知症対応型のふるさとを紹介され、ご利用へと繋がりました。

買い物をきっかけにお連れ出し
管理者が何度かご自宅へ伺い、デイサービスの利用についてご説明して
お誘いしましたが、なかなか聞き入れてもらえませんでした。
「一度行ってみませんか」とお声かけするも、様々な理由をおっしゃり、
どうしても送迎車に乗っていただくことができませんでした。
一週間ほど、ご本人の昔のお話を聞くだけで、帰っていたところ
ある時「買い物に行きたい」とご本人がおっしゃったので
ご乗車いただき、そのままふるさとへ。
初日はスムーズにご利用いただくことができ、昼食も「美味しい」と
たくさん召し上がっていただけました。

スタッフとの絆が生まれた
2回目の利用の際に管理者がお迎えに伺うと、初日のことを思い出され、
「嘘つき!」と言われてしまいました。
管理者の顔も覚えていて、「嘘をつく嫌な人」と認識されているようでした。
そこで、別のスタッフがお迎えに伺うようにしました。
スタッフは「責任者に文句を言いに行きましょう!」とお声かけ。
スタッフがご本人の味方になることで、ご本人との絆が生まれたようで、
ふるさとへ行くことを拒否されなくなりました。

一ヶ月ほどでスムーズに送迎できるように
しばらくの間は、施設に到着して管理者の顔を見ると、
「お前!だから来たくないと言っているだろう!」と怒っていらっしゃいましたが、
文句を言った後は落ち着かれ、お送りの時間までご利用いただくことができました。
一ヶ月ほど経つと、ふるさとの雰囲気に慣れてくださったのか
文句を言うこともなくなり、また誰がお迎えに伺っても問題なくご乗車いただけるように。
利用し始めの頃は、ご自身の話を一方的にされる傾向がありましたが、
利用を重ねるうちに、他のお客様やスタッフの話も聞いてくださるようになりました。
ご家族は、「安心して仕事ができて、とても助かります」と喜んでくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内