2019年05月01日

拒否の原因…目が見えず耳も遠いため不安だった

奥様もご高齢 介護が身体的負担に
奥様と2人暮らしの90代男性。
ご本人は目が不自由で、耳もかなり遠くなっていらっしゃいました。
奥様もご高齢のため、介護をするのが難しく、ショートステイをご利用でした。
ショートステイへ行って何日間か泊まり、数日ご自宅に帰るというサイクルで生活されていましたが、
次第にご自宅での身の回りのお世話が、奥様のお身体の負担になるように…。
ケアマネジャーからの勧めで、認知症対応型のふるさとにお声がかかりました。

ご本人の気持ちに合わせた対応を
最初のお連れ出しの際は、お迎えに伺うと、
ご本人は「どこへ行くんだ!行かない!」と拒否されましたが、
スタッフが時間をかけて丁寧にご説明をしたところ、ご乗車くださいました。
「お腹が空いたから行かない」とおっしゃられた時には、
「では何か召し上がってからお出かけしませんか」とお声かけし、
好物の甘いものをゆっくり召し上がってからご乗車いただきました。

介助をする前に必ず丁寧に説明
ショートステイでは、職員に手が出てしまったり、暴言が出てしまったりすることもあったそううです。
そこで、“なぜ暴言・暴力が出るのか”を考えながら、ケアを行いました。
ふるさとで初めての入浴の際は、強い拒否があり、暴言も。
「○○さん、今から上着を脱ぎますよ、右腕から失礼いたしますね」、「それではひじを曲げますよ」、
「次は左腕を脱ぎましょうか」と一つひとつ丁寧にご説明をしながら介助を行なったところ、
スムーズに受け入れてくださるようになりました。
ご本人は全く目が見えず、耳も遠いため、何をされるのかわからない不安感から
拒否が出ていたのではないでしょうか。

寝たきりの状態から手引き歩行ができるまでに
立ち上がる時も、立ち上がることやスタッフが介助をすることをご説明して行いました。
ショートステイでも、ご自宅でもほとんど寝たきりの状態だったそうですが、
徐々に手引き歩行ができるようになり、さらには歩行器を使って歩けるほどに。
皆さんと体操を行う際も、スタッフがご本人の隣につき、
「両手を上げますよ」、「足踏みをしますよ」とお声かけ。
「1、2、3」という呼びかけに合わせて、体を動かすことができるようになりました。
ご自宅でも起きている時間が長くなったそうで、ご家族も大変喜んでくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内