2018年02月07日

「働きに行く」というやりがいがご利用につながった

「私はこんな人たちと一緒じゃない」と強く拒否
ご長女と2人暮らしの70代の女性。
日中はご長女がお仕事で不在のため、ひとりでお過ごしでした。
認知症の症状が進むにつれて、部屋に置いてある物や棚にしまってある物を
散らかしてしまうように。
ご長女は日中ひとりにすることが心配になり、ケアマネジャーの紹介で、
ふるさとの見学にいらっしゃいました。
しかし見学の際ご本人は、「私はこんな人たちと一緒じゃない!」と、
怒ってご自宅へ帰ってしまいました。
ご本人の強い拒否にご長女は「もうデイサービスはあきらめます」と。
ふるさとでは、何度でもご自宅へお伺いしてお誘いすることを実践していますので、
「私たちは何度でも通いますよ、お気になさらないでください」とお話ししましたが、
ご長女の意志は固く、ご利用は一旦取りやめとなりました。

シルバー求人の契約書を作ってお誘い
一年後、認知症の症状がさらに進んでしまったことをきっかけに、
再度ふるさとにお声がかかりました。
前回の失敗を踏まえて、ケアマネジャーと案を練り、
ふるさとに行くことを「働きに行く」と思っていただこうということになりました。
そこでスタッフはシルバー求人の契約書を作り、ご自宅へ。
「シルバー求人から来ました、○○さんのお力をぜひお貸しください」
とご挨拶をして、契約書にサインしていただきました。
お仕事に来てくださいとお願いすると、ご本人はとても嬉しそうで
週1回のご利用の予定が「もっと行きたい」とおっしゃるほどでした。

まずはお仕事をするためにふるさとへ
最初はふるさとに慣れていただくため、「仕事をする」ことをメインに
他のお客様ともテーブルを分けて過ごしていただきました。
ふるさとへいらっしゃったら、まずはエプロンをつけていただき、
施設の壁飾りを作っていただいたり、お茶を入れていただいたり。
そしてスタッフ用のロッカーを一つ空け、ご本人のエプロンを入れる場所も用意しました。
ロッカーには出勤簿も入れ、ご本人に手書きで記入していただきました。

やりがいを持っていただくことで毎日を楽しく
日にちが経つにつれて、ご本人はふるさとの雰囲気に慣れてきたようで
他のお客様と同じテーブルでレクリエーションに参加されるように。
スタッフが「お客様の横で盛り上げてくださいね」とお願いすると、
一生懸命に歌を歌い、踊って盛り上げてくださいます。
カルタになると誰よりも早く取り札を取りながら、
隣のお客様にお渡ししてくださり、会話も楽しまれるようになりました。
ご長女は、日中も安心できるようになったとおっしゃり、
またご本人が以前のように笑顔を見せてくださるようになったことを
大変喜んでくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内