2017年06月07日

「もしも自分が倒れたら…」二人暮らしの不安から

発症してから7年 ご主人が一人で介護をしていた
ご主人と二人暮らしの女性。
7年ほど前に認知症を発症されてから、ご主人が一人でお世話していました。
ご主人は認知症や介護について熱心に学ばれ、介護サービスを受けることは考えていなかったそう。
しかし高齢になるにつれて、「もしも自分に何かあったら…」と不安に思うようになり、
その時に初めて宿泊施設を利用したり、入居を考えたりするよりも、
今のうちから介護サービスを受け、他人にお世話されることに慣れたほうがいいと思ったそうです。
ケアマネジャーを通してふるさとをご利用いただくこととなりました。

自宅以外でも家族のようなケアを
ご挨拶のために訪問させていただいたところ、
ご本人様はとても穏やかで、落ち着いていらっしゃいました。
お話ししてみると、会話が難しいほど症状が進行していることが分かり、
ご主人のお話では、食べ物を食べ物と認識できず捨てたり、
街角のポスターに向かって長い時間お話しかけたりすることも多々あったそうです。
しかし、ご主人はご本人様の言動を咎めたりせず、始終にこやかに見守られ、
ご本人様は自由に生き生きとされていました。
ふるさとに通うことや、ご主人と離れる時間がご本人様のストレスにならないように、
一対一に近い形で対応させていただくことになりました。

周りに人がいることを楽しまれて
もともと社交的で、ふるさとにいらっしゃると楽しそうなご様子が見られました。
お話し好きな方ですので、じっくり聞かせてもらうと嬉しそうにされ、
ご主人の話題が出ると笑顔が見られることもありました。
通うにつれてスタッフとの関係も深まり、一緒に歓談の時間などを楽まれるように。
ご自宅にいらっしゃる日は、よく近所を散歩されているそうで、
ご利用日に運動不足にならないように、室内を自由に歩いていただきました。
足元に注意しなければいけないところや危険なところは、スタッフがそっとお伝えして、
手を引いて安全な場所へご誘導しました。
レクリエーションに無理に誘わず、「やりたい」とおっしゃった時だけ参加してもらい、
参加されなくても、周りの方が盛り上がっているのを見て楽しそうにされていました。

良い印象でなかったのが一転 利用を増回に
当初は、「介護サービスに慣れるため」とのことで、ご利用は週1回の予定でしたが、
ご主人はスタッフの対応が気に入り、週3回に増やしていただくことになりました。
実は介護サービスによい印象をお持ちでなかったそうですが、
送迎時に一日のご様子をお伝えしたり、連絡帳で記載したことについて、
「こんなに丁寧にみてもらえるとは思いませんでした」と嬉しいお言葉をいただきました。
これからも、スタッフや周りの方と関わりを持てるようにサポートし、
ご主人に万が一のことがあった時もお力になれればと思っております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内