2016年05月25日

社交的で外出が好きだった母に戻ってほしい…

人とのかかわりを避け、家にばかりいるように
おひとり暮らしの女性。
近所にご長女が住んでいらして、週に何度かお母様の様子を見に行かれていました。
食事の支度などがおひとりでは困難になり、訪問介護をご利用に。
だんだんと家にばかりいるようになり、寝ている時間が増えていったそうです。
もともと社交的な性格で、外出もお好きだったことから、
ご長女は何度もデイサービスを勧めましたが、
ご本人様は、「行きたくない」と拒まれていたそう。
「外へ出してあげたい…」と、ご長女からケアマネジャーに相談がありました。

「行ってみよう」と思っていただけるまで 
ケアマネジャーからご連絡を受けたふるさとのスタッフは、お話を伺いにご自宅へ。
ご本人様は穏やかな言い方でしたが、はっきりと「行かないわ」とおっしゃっていました。
「行かない」とおっしゃる方を、お誘いするのは気持ちを無視するようなこと。
そう考えたスタッフは、「行ってみようかな」と思ってくださるまで待つことにしました。
毎日ご自宅を訪問し、ご体調や気分を伺い、お話をしました。
訪問を続けて1ヶ月が過ぎる頃には、すっかり顔馴染みに。
ご本人様からお話しになることが増え、笑顔も見られるようになっていきました。
ある日の朝、ご長女が「○○さん(スタッフ)と行ってみたら」と声をかけると、
「そうね」とおっしゃり、その日初めてふるさとに来てくださることになりました。

「帰ろうかな」の意思にきちんとお応えして
ご来所になると、スタッフや周りの方との会話を楽しまれていたのですが、
おやつの時間の少し前に、「そろそろ帰ろうかな」と…。
すぐに送迎の車を準備し、スタッフ全員で笑顔でお見送りしました。
その時、少し引き止めるように、「もうすぐおやつの時間です」、
「お茶を召し上がりませんか」などと、お声をかけることもできたのですが、
ご本人様の意思にきちんとお応えし、気分良く帰っていただくことが大切だと考えていました。
お送りすると「ありがとう」とお礼を言ってくださいました。
その次の回も、昼食後に帰宅されたのですが、
「送ってくれて、どうもありがとう」とニッコリと笑ってくださいました。

夕方まで楽しくふるさとで 趣味にも意欲的に
次の回からは、ご帰宅を希望される素振りはまったくなく、
帰りの時間まで、楽しんでいただくことができました。
それ以来、週3回、ほとんどお休みすることなく通ってくださっています。
ご利用日をとても楽しみにされているそうで、
ご長女のお話では、ふるさと以外の日も出かける準備をなさることもあるようです。
また以前のように、ご長女と一緒に外出されるようにもなりました。
ご利用開始から1年経った今では、趣味にも意欲を取り戻され、
時々、観劇などを楽しまれていると、ご長女より伺っております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内