2015年12月23日

「お風呂」と聞くと不安になるお客様へ 心地良いご入浴を

通っていたデイサービスで入浴の拒否が見られるように
ご主人と二人暮らしの女性。
ご近所のデイサービスに通っていらっしゃったのですが、
症状の進行に伴い外出を嫌がるようになり、お休みされることが増えていたそうです。
また、施設でのご入浴を拒否されるようになり、
ご自宅ではご主人だけで入浴の介助をすることができず、お困りだったそうです。
ケアマネジャーがふるさとのご利用をご提案してくださったとのことで、
ご利用いただくこととなりました。

ご入浴へ気分が向かず 足浴だけしていただいた
スタッフが何度かご挨拶に伺わせていただくと、ご本人様は快く施設に来てくださいました。
それからはお休みされることなく通ってくださったのですが、
ご入浴へのお誘いには、「朝、入ってきたのよ」、「今日は遠慮するわ」とおっしゃり、
断られてしまうことが続いていました。
何回かご利用いただくうちにお手洗いへお誘いした際、
女性スタッフの時と男性スタッフの時とでは、ご本人様のお返事が少し異なっていることに気付きました。
脱衣所へご案内する際も女性スタッフからお誘いさせていただき、まずは足浴をしていただくことになりました。
さらに、お手洗いでお召し物を脱がれることにご抵抗はないようでしたので、
ズボンから脱いでいただくようにすると良いのではないかと考えました。
脱衣所でも先にズボンを脱いでいただくようご案内すると、お召し物を全て脱いでいただくことができました。
しかし、『お風呂』という単語をお聞きになった途端、とても嫌がられてしました。

話し合いで分かってきたお声かけのタイミングと好きな話題
どうしたらご入浴へご気分が向くだろうかと、何度も話し合いを行いました。
レクリエーションや体操が終わったタイミングでお声をかけると、お断りされることがないことが分かり、
「温まりませんか」とお誘いさせていただくようにしました。
また、スタッフがご主人を知っていることが分かると安心してくださるので、
ご主人のお話をしながら、スタッフと一緒に脱衣所へ入るようにしました。
そうしてご利用開始から3ヶ月目に、初めてご入浴をしていただくことができました。
ご本人様は湯船に浸かると、とても気持ち良さそうなご表情をされ、
「もう少し入っていたいわ」と、ゆっくり温まってくださいました。

ご主人の思い出話をしながら毎回ご入浴されています 
ご主人へ、ご本人様が心地良さそうにご入浴されたことをお伝えすると、大変喜んでくださいました。
それからご本人様は、週1回のご利用日は毎回ご入浴されるようになりました。
ご主人は「自宅ではお風呂に入れられないから、とても助かっています」と、おっしゃってくださり、
ふるさとで必ずご入浴されることに安心してくださったそうです。
現在もご主人との思い出話をしながら、ご本人様にご入浴を楽しんでいただいております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内