2015年12月16日

お二人とも認知症 ご主人の拒否と奥様の疲労

ご夫妻とも認知症 ご主人の拒否があり奥様のサービスへ繋がらなかった
ご長男夫婦と4人家族のご夫妻。
お二人とも認知症と診断されていました。
ご主人は奥様が少しでも見えないと不機嫌になってしまうため、
奥様は常に行動を共にしなければならなかったそう。
疲れが見られてきた奥様を心配し、お二人はデイサービスへ通うことになりました。
しかしご主人は、「何でこんな所に連れて来るんだ!」と怒り出してしまい、
時には暴力を振るおうとすることもあり、ご利用の継続が難しかったそうです。
ケアマネジャーの提案で訪問介護サービスを利用されることになったのですが、
ご主人は「介護は必要ない」と受け入れてくださらなかったそうです。

今後も安心の生活を 一堂に会した場で話し合い 
ケアマネジャーは、最後の頼みの綱としてふるさとをご家族様に紹介してくださったそうで、
早速スタッフが訪問させていただくこととなりました。
ケアマネジャーとヘルパーの方、ご夫妻を含めたご家族様、さらに福祉用具の相談員の方、
一堂に会した場で今後について十分な話し合いが行われました。
その際にご主人が意見されることもあったのですが、ご家族様に取り合ってもらえず、
言い争いになってしまう場面がありました。
ご家族様はお二人の今後を真剣にお考えになってのことですが、
ご主人は蚊帳の外のようにお感じになっていらっしゃるような、印象もありました。

「本日は付き添いに来ていただき、本当にありがとうございます」
ご主人へ奥様のリハビリの付き添いとして来ていただけるようお話しし、
ご夫妻でご利用いただくことが決まりました。
初めて来ていただいた日から施設では、「奥様の付き添いで来ていただきました、○○様です」と、
ご主人を他のお客様へご紹介させていただきました。
スタッフは一人ずつご主人へ自己紹介をしました。
首から下げた名札を目線に掲げ、「○○様、初めまして。私は、職員の●●と申します」と挨拶をし、
「本日は奥様の付き添いに来てくださり、ありがとうございます」とお辞儀をしました。
ご主人は軍人として戦争体験があったことから規律や礼儀に厳しい方だと考え、
スタッフはいつも以上に姿勢を正し、丁寧にお声をかけることを徹底していました。
また、これまで周囲の方々はご主人を怒らせないようにと、
恐る恐る接していたのではないかと思うところもありました。
施設では積極的にお声をかけ、目を見てしっかりとお話を伺うようにしました。
するとご主人は、時間が経つにつれてご自分からお話をしてくださるようになり、
さらに皆様とのレクリエーションにも参加され、快くお過ごしになってくださいました。

奥様はゆったりとした時間を ご主人はスタッフとの関わりを楽しみに
ご主人は徐々に、通うことに慣れ、楽しんでくださるようになりました。
奥様はゆったりと落ち着いた時間をふるさとで過ごすことができるようになり、
しばらくすると、ご入浴もされるようになりました。
ご家族様より「こんなに楽しんで通うようになるとは、思いもしませんでした」とお喜びの言葉をいただき、
ケアマネジャーは、「さすがですね。お二人で利用できて、本当に良かったです」と、安心してくださいました。
それから週2回に増回となり、現在も快くご夫妻でご利用いただいております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内