2015年05月27日

車椅子の生活から 無理のないペースで一歩ずつ

昼夜問わず突然大きな声 怪我をきっかけに車椅子に
ご長女夫婦と三人暮らしの女性。
ご長女夫婦は仕事で家を空けていることが多いため、
以前よりデイサービスをご利用されていました。
しかし、ご症状が進行してしまい、突然大きな声を出されるようになり、
施設では個別でのご対応が難しくなっていたそうです。
また、夜中に起き出したり、叫ぶような声を上げたりしていたそうで、
ご家族様は安心して眠ることができずお困りでした。
その頃、足を骨折してしまい、入院されることに…
ケアマネジャーの提案で、ご退院後ふるさとをご利用いただくこととなりました。

ご本人様のペースに合わせ歩いてみることをご提案
ご退院後、車椅子でのご生活になりましたが、お怪我の具合は良いとのことでした。
しかし、お怪我をする前に比べ、お元気がなくなってしまったそうで、
スタッフのお話しかけにお返事を返してくださることがあまりなく、
ご表情は朗らかではありませんでした。
スタッフは、お手洗いや浴室へご案内する際、車椅子を使わず一緒に歩くことをご提案してみました。
丁寧にお声をかけさせていただき、まずはお席から一番近いお手洗いまで、スタッフと一緒に歩いていただくことに。
2人のスタッフからお手を取らせていただき、ゆっくりと歩きはじめると、
ご本人様はスタッフに身体を預け、一緒に歩いてくださいました。
時々、「大丈夫ですか」とお声をかけ、ご様子を伺いながら歩きました。
嫌そうなご表情をされたり、痛そうなご様子があったりした時は、
すぐに車椅子にご乗車いただけるようにいたしました。

徐々に歩行できる距離が長くなった
はじめのうちは、お席から一番近いお手洗いまでの4メートルほどの距離で、
「疲れた」とおっしゃることもあり、すぐに車椅子を使用することもありました。
しかし、3ヶ月ほど続けていると、一歩一歩が安定し、
少しずつしっかりと歩行されるようになり、
お手洗いまでの往復は車椅子をほとんど使わず、スタッフと一緒に行かれるようになりました。
はじめは2人のスタッフが付き添わせていただいておりましたが、
歩行が安定してくると、1人のスタッフと一緒に、お手洗いの倍以上の距離がある浴室まで歩かれるように。
それに伴い、スタッフがお話しかけるとお返事をしてくださることが増え、
朗らかなご表情をされるようになり、時々笑ってくださるようになりました。

今では自ら歩かれるくらいお元気に
それから半年ほど経った今では、車椅子を全く使わず、歩かれるようになりました。
最近では、ふるさとにいらっしゃると、「昨日は、運動しなかったのよ」とおっしゃり、
ご自分から施設内を歩かれることもあります。
その様子を知ったケアマネジャーは大変驚き、
またご本人様がお元気になったことをとても喜んでくださいました。
さらに、夜ぐっすりと眠るようになり、
以前のように起き出したり、大きな声を上げたりすることがなくなったとのことで、
ご家族様が「安心して眠ることができるようになりました」とおっしゃってくださったそうです。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内