2014年10月08日

様々なことに無関心、寝てばかりの毎日でした

寝てばかりの毎日をご家族様は心配されていた
奥様とご長男ご家族と6人でお住まいの男性。
近所にご友人や知人など交流のある方がいらっしゃらず、毎日ご自宅で過ごされていたそう。
趣味や楽しみなどもあまりなく、一日のほとんどの時間を部屋で寝て過ごされていたそうです。
「少しでも他の人と関わりをもってもらいたい」と思ったご家族様が、ケアマネジャーに相談。
しかし、大きな声を上げたり様々なことに拒否されたりすることが多いご本人様。
ケアマネジャーが、認知症専門のふるさとのご利用を勧めました。

しかしレクリエーションなどに関心を示してくださらなかった
週に2回、ふるさとにいらしてくださるようになりましたが、
体操やレクリエーションなどにお誘いをしても、「馬鹿げている」と、目を向けてくださいませんでした。
スタッフがおすすめしたカードゲームやテーブルゲームにもあまり興味を示してくださらず、
歌を歌うこともなさらず、ご本人様は、ご自宅に帰られることばかりを気にかけていらっしゃいました。
スタッフはお誘いの方法を工夫してみましたが、「興味がない」と一言おっしゃられるのみでした。

「わたしと一局いかがですか」将棋がきっかけでした
ご興味がないことを、無理にお誘いをすることはできません。
スタッフ皆で、ご本人様は何がお好きなのだろうかと考えました。
あるスタッフが将棋をおすすめしてはどうかと、将棋盤を用意しました。
「○○様、将棋はお好きですか?」とお声かけしたところ、興味を示してくださいました。
スタッフが「よかったら、わたしと一局いかがですか」と言うと、
「将棋なら、やっても良い」とおっしゃってくださり、その日はスタッフと将棋をしました。
そのことが大変気に入ってくださったようです。
次回からご来所いただくと、すぐにスタッフと将棋。
それ以来、ふるさとには将棋を指しに来てくださるようになりました。

将棋を通してスタッフとの会話も増えました
ご利用当初は、お帰りになられることばかりを気にされていたご本人様ですが、
将棋をするようになり、施設での時間を楽しんでお過ごしいただけるようになりました。
スタッフに「あなたは弱いから相手にはならない」とおっしゃられ、対局したスタッフのお顔を覚えてくださるように。
また、「さっきのは間違いだったから、もう一局しよう」などとおっしゃられることもあり、
ご本人様からお話しされることも増えていきました。
ご利用開始から3年近く経ち、現在は週3回ご利用いただいています。
今でもレクリエーションなどには、あまり積極的に参加はされませんが、
将棋を通してスタッフや他のお客様とお話しされるようになり、気持ち良く通ってくださいます。
ご家族様もご本人様のそのお姿に、安心してくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内